初めてのピアノの発表会でアレが無かった
現在、小学校1年生の息子がいます。音楽が好きな子どもで保育園の時から、近所にあるピアノ教室に通っています。そのピアノ教室は、家からも近くサポートが手厚いと評判が良かったことから知人に紹介してもらい習い始めました。
評判通り、いろいろなゲームを通して音符をよむ練習をしたり、ピアノ以外の楽器をさわらせてもらったりと、息子は楽しみながらレッスンを受けていました。教室にも慣れたころ、息子に『発表会に出演しないか?』という話がありました。息子は筋が良かったようで、保育園の時からある程度の曲は弾けるようになっていました。本人も人前に出ることが好きだったので、二つ返事で了承しました。
発表会で演奏する曲は、小学校低学年程度のレベルの曲でしたが、一部ペダルをつけて響かせる箇所があります。まだ背が小さな息子は、補助ペダルをつかって身長の足りなさを補っていました。
このピアノ教室は、先生が自宅で開いている一般的な個人ピアノ教室です。そのため、発表会の準備で先生はてんてこ舞いになっているようでした。うちの息子は練習が大嫌いだったのですが、発表会前の先生は鬼気迫るものがあり、練習嫌いの息子が先生を怖がって一生懸命練習していたのでびっくりしました。親も最後の方は必死になって練習に付き合いました。正直、こんなに大変ならもう少し遊び感覚でできるピアノ教室に移ろうかなとも考えました。
そして、ようやく本番。頑張った息子の晴れ姿に、私も夫も期待が高まります。ところが息子の前に演奏していた子が、なぜか退場する時に補助ペダルを舞台袖にもって帰ってしまいました。夫と「息子の補助ペダルはどうなるんだろう?」と話していると息子が満を持して登場。手には、補助ペダルをもっていません。補助ペダルがないと足が届かないのに!と私は焦って舞台裏に駆け寄ります。
先生に訴えるも想いが届かず
今ならまだ間に合う、と思った私は先生に「補助ペダルがありません。」と伝えたのですが、「もう舞台に出たので駄目です。」と言われてしまいました。結局息子は、弾いている途中で補助ペダルがないことに気が付いて一瞬焦りましたが、何とかペダルなしで乗り切ってくれました。
素晴らしい演奏でしたが正直、ペダルがないことで音の響きが失われてチープな感じになってしまいました。きちんと、補助ペダルの使用を申請していたのにも関わらず使用できなかったこと、すぐに気が付いたのに対応してもらえなかったことにあり得ないと怒りでいっぱいでした。
発表会後、先生の方から謝罪がありました。コンクールでは舞台に立ったら誰も助けられないこと、そして何があっても自分でどうにかするしかないこと、うちの息子は『一人で何とか乗り越えて偉かった』と言われました。
そういわれても納得がいかなかった私は『今回はコンクールではなく発表会です。しかも息子にとっては初めての発表会だったので、とても残念です』ということを伝えました。私としては自分の気持ちを正直に伝えられ、その場はそれで収まったので解決したと思っていました。
ところが次の日先生から「あんなにきついことを言われて辛かった。もう教室を辞めてほしい。」との内容のメールが届きました。先生の方から辞めてくれと言われるとは思わなかったので、なんてメンタルが弱い先生なんだと驚きました。
一方的に辞めてほしいと言われて、レッスン代も現金書留で送られてきたので、辞めざるを得ないという感じでした。息子はピアノが好きだったので残念そうでしたが、先生の熱心さが怖いとも感じていたようなので、他の教室に移るのはそれほど嫌がりませんでした。
先生には、やめるにしても違う教室を紹介してもらったり、きちんとした説明をいただきたかったのですが、結局、連絡はすべて無視されました。良い教室と聞いていただけに後味が悪く少し残念ですが、現在は違うピアノ教室に代わって楽しくピアノを続けられているので、これで良かったと思います。