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崖っぷち主婦 宅建試験に挑戦


自分の強みは何か?と問われた時に、自信を持って他人より勝っていると言える能力はありますか?何一つ特技がなくここまできてしまった35歳二児の母の新たな挑戦は“宅建士”の資格を取ることでした。

挑戦しようと思ったのは2017年春のことです。自己啓発系のセミナーで税理士、会計士、弁護士などの士業(サムライ業)は社会的信用や属性が高いという事がわかりました。その頃、パート社員を退職し主婦をしながら大家業に転身しようと考えていたので、資格取得を目指すなら宅建士だ、と思った事がきっかけです。

フォーサイトの教材を申し込む

宅建資格】と検索エンジンにかけて出てきた情報の中から、目についたのは『Foresightフォーサイト』の通信講座でした。費用や内容から、これだ!と思いすぐに申し込みました。

講座内容は 合格率No.1バリューセット2
基礎講座+過去問講座+直前対策講座

DVDコース 通常価格 93150円 →キャンペーン価格 56900円(税込、送料無料)

これが安いのか高いのかは判断に困りますが、膨大な量のテキストと問題集をみて一瞬後悔したのを覚えています(苦笑)

フォーサイトの教材は、『満点をとる必要はない!』と堂々と書かれており、本試験では50問の出題のうち約35問とればそれでいい、とハードルを低くして導いてくれています。満点ではなく合格点に照準を合わせてテキストを絞り込んでくれているので、ギリギリでも何でもとにかく合格すればいいんだ、と思い少し肩の力を抜いて挑戦する事にしました。

学校を卒業した途端に日本人は勉強をしなくなる

自己啓発やセミナーの受講は当たり前という先進国に比べて、日本は学校を卒業した途端に勉強する事をしなくなる人が多い傾向にあるそうです。会社で必要な知識さえ身につければ、お給料をもらえて生きていけるから、それが当たり前と思う人が多いのかもしれません。

もっとこの分野を学ぼう、この知識を自分の物にして極めようなど、勉強に時間やお金をかける事をなるべくしない日本人は、講習会やセミナーという言葉を聞くだけで、『なんか怪しい』『商品を売りつけられる』『洗脳される』という思考が頭をよぎってしまいます。

私も宅建試験を受けようと思うまではそっち側の人間で、いざ勉強しようと思っても勉強の仕方を忘れていました。暗記ってどうするんだっけ?集中力が続かない、スマホが気になってソワソワ、と、この様に気付けば時間ばかりが過ぎてしまい、教材を申し込んでから半年あった勉強期間が、あっという間に残り2ヵ月となってしまいました。

吐けば願いは叶う

セミが鳴く季節になると友達との誘いや子供との時間を一気に減らして図書館に行き、強制的に勉強に集中できる環境を作りました。また、教材の一部に合格グッズが含まれており、最初はなんじゃこれ?と思いましたが、書道家・武田双雲氏による書き下ろしの合格ポスターを部屋の目につく所に張り、それを眺めてはモチベーションを上げて気持ちを奮い立たせました。

もしも受験に失敗したらやっぱり恥ずかしいな、と当初は思っており周囲に試験を受ける事を隠していましたが、願いは吐けば叶うんだと強く信じて、宅建資格をとる事を友達や家族に伝え、そうする事で自分を追い込みました。

当時の勉強に費やした一日の時間は、朝5時起床~7時までの2時間、子供を送り出し家事を済ませ、10時から12時までの2時間、昼食後13時から17時までの4時間計8時間が限界でした。昔から睡眠は8時間~10時間ぐらい欲しい体質なので、睡眠を削って深夜までの勉強というのは諦め、21時には子供と一緒に寝ていました。

一番苦労した分野 法令上の制限

宅建試験の勉強は消費者の保護が観点となるので、一般常識で解ける問題も多く、自分がこの立場だったらこうして欲しいなと思った事が正解だったりします。
ですが、やはり一生に一度あるかないかの大きな買い物、マイホームを買う際には、適確に詳細を説明してくれる専門的な知識がある人が企業にとっても希少価値が高いはずです。余裕で合格できちゃうかも、と思ったのも束の間、どうしても超えられない壁が目の前に立ちはだかりました。

テキストを読むなり、頭が痛くなったのが『法令上の制限』という分野です。範囲が膨大かつ難解なので、これを不得意科目としてる受験生も多くいるそうです。本来、自分の土地や建物をどのように利用しようが、誰にいくらで売ろうが勝手じゃないか、と思いますが、土地や建物は一度でも無秩序に造成、建築されるとそれ以降の有効な利用が困難になる為、それを制限しようとしたのが『法令上の制限』です。

国土利用計画法や建築基準法、宅地造成規制法によって私たちの暮らしは安心かつ安全に守られているんだな、と思いながら全体像を理解して、数字や法律を暗記するべく繰り返し繰り返し書いては覚えました。テキストを読んで理解した上で問題集を解くのではなく、とにかく過去問をひたすら解いて、理解できなければテキストに戻るという方法をとっていました。

とうとうやってきた試験当日

普段の性格からポジティブなのが長所だと思っており、やるだけの事はやったんだから絶対に一発合格する、と確信して試験に臨みました。また、勉強漬けの日々を振り返り二度とこの苦労はしたくないとも思っていたので、落ちたらまた来年リベンジする、なんて事は少しも思いませんでした。

当日は午後13時から試験が始まりますが、会場は初めて行く場所だったので早めに行って場所を確認してから近くのカフェで昼食をとろうと考えて向かいました。
東京大学駒場キャンパスは駅の目の前にあり、会場を確認し終えてからカフェを探そうと周囲をみましたが、なかなか見つかりません。雨が降っていましたがどこか落ち着ける所はないかとぐるぐる歩き回りました。

雨は止む気配がなく気が付けば靴下までしみてビチョビチョ。時計を気にしながらこれ以上会場から遠ざかっていく事が心配になり、結局一番近かったコンビニのおにぎりで昼食を済ませる事にしました。

場慣れしていない私は、自分の席に着くとソワソワ。途中でトイレに行きたくなったらどうしよう、靴下が濡れているし会場が寒い。本当に冷静に問題を読んで時間内に解けるだろうか、そんな不安に襲われていました。そこから試験が終わるまでの2時間はあっという間で、寒さやトイレなど気にならない程集中していた様で、終わった後は達成感で溢れていました。

帰り道にはもう試験の答えが明らかに

スマホひとつで何でも出来ちゃう便利な世の中はここまで進歩しているのか、と感心してしまったのが、帰り道の出来事です。試験の問題用紙は自由に持ち帰れるので、自分の回答を問題用紙に記載して、帰ってからテキストを見て答え合わせをしようなんて思っていたのですが、スマホで検索エンジンに宅建試験と入れると、サジェストキーワードに『宅建試験 解答速報』の文字が目に飛び込んできました。

さっき本試験が終わったばかりでもう答えが出てるの?とビックリしてページをクリックすると、あらゆる予備校の先生が答えを記載して速報として配信してくれていました。電車の中で急いで答え合わせを始めます。一気に50問の答えが出るのではなく、少しずつ更新されるのでもどかしい感じはあるのですが、これでとうとう運命が決まるのか、と私はスマホから目が離せない帰り道でした。

宅建試験の特徴は合格点が決まっておらず、毎年合格率は15パーセントとなっており、その年の問題レベルによって、合格点が32点だったり、35点だったりします。それがわかるのは試験日から1か月半程経った11月の半ばに発表されるので、それまでの間は神に祈る想いで過ごさなければなりません。

獲得点数 34点

答え合わせをした時は、飛び上がって喜びました。34点も取れてるじゃん!絶対合格したよ、と家族と抱き合い、今までの頑張りを褒めてもらって焼肉にも連れて行ってもらいました。ようやく欲しかった資格が手に入るんだ、人に誇れる肩書きがつくんだ、ただの主婦じゃないんだ~!私の頭の中は頑張って良かった、受けて良かったと繰り返し思いました。しかし、そんなぬか喜びも束の間、天国から地獄へと一気に突き落とされます。

数日後、フォーサイトから動画が届き講師が今回の試験の振り返りをすると共に、予想の合格点を35点と言いました。あれ?それが本当なら私は1点足りていません。講師曰く今年はそんなに問題のレベルが高くなかったので、35点が合格点でしょう!と・・・

とは言え、それは講師の予想点です。他の予備校の先生は32点~34点を予想している方もいました。明らかに点が足りていないならスパっと気持ちを切り替えられるのですが、微妙なラインだったので諦めきれずにどうか奇跡が起こってほしいと願うばかりでした。それからの1か月半は時間が経つのが本当に遅く感じてしまい、早くハッキリしてほしいというのが本音で、ただただ時間が解決してくれるのを待ちました。

2017年度 宅地建物取引士資格試験 合格点は35点

試験団体から正式に発表された後も、これは夢であってほしいと願いました。なかなか現実を受け入れられなかった私は、こんなにも宅建試験が生活の中心になっていたんだという事を実感しました。心が空っぽになったのはそれだけ真剣に向き合ったという証拠です。

たかが宅建。されど宅建。受験に失敗しても勉強に費やした時間が無駄だったという事はなく、挑戦しなかった人に比べたら経験値が上がりました。それだけは褒めてあげようと思いました。

欲しいものは欲しい

宅建の資格を取り損ねても、いつもの日常はやってくるもので、去年の悔しい涙も忘れかけていた2018年7月。今年も宅建試験の申し込みが始まりました。惨敗の結果、見事に灰となった私は、試験以降一度もテキストを開く事なく避けてここまで来てしまいました。またあの勉強をするのか、とやっぱりためらいましたが、申し込み期日ギリギリになって当時の悔しい気持ちがエネルギーとなり、次こそは勝ち取ってやる!とスイッチが入りました。

勉強を開始してまだ数日ですが、少し復習すれば何となく記憶の引き出しから探し出せる分野と全く覚えていない分野にハッキリ分かれます。全く覚えていない箇所は無理やりただ知識を詰め込んだだけで、その全体像を理解していなかったのでしょう。去年の苦い想いを胸にまたスタート地点に立ちました。

教材は去年の使い回しですが、苦手な分野を徹底的に洗い出し、今度こそは結果をだしてやるぞ!と意気込みだけは十分です。インプットした知識をどこまで自分の脳で理解してそれをアウトプット出来るか、そこに重点を置いて残された時間を過ごしたいと思います。

まとめ

これを読んでいる人の中でもし2018年度の宅建試験を受ける人がいたら、私は一度失敗している経験者として、これだけは言っておきます。

自分の限界は自分で決めない。

もしもタイムマシンで過去に戻れるなら2017年の自分に言ってやりたいです。まだ何か出来ることはあるんじゃないのか?と。宅建に限らずどんな事にも挑戦し続ける事で人生が変わるきっかけになれば、と思い執筆させていただきました。