引きこもりからの脱出
私は大学を卒業した後2年間ほど実家に引きこもっていました。実家に引きこもった理由は就職活動に失敗したからです。就職活動は本当に真剣に取り組んだのですが、自分と自分の大学のレベルを客観的に見ることができず、無理な就職活動を繰り返していたような気がします。自分ならできる、諦めなければいつかはうまくいくと思い込んでいただけかもしれません。しかし、一社たりとも内定をもらうことができず、私は完全に挫折をしてしまいました。何か自分の中にあったものが崩壊してしまったような気がしました。もう何もする気が起きなかったのです。
ゲームの世界の住人に
それから家の中でネットゲームをするだけの日々が始まりました。ネットゲームの中の自分が本当の自分だと次第に思うようになり、現実の引きこもりの自分のことは何も気にならなくなっていきました。その時は全ての煩わしいものから解き放たれて、幸せな時間を過ごしていたような気がします。
しかし、しばらくするとネットゲームも飽きてしまいます。そして、自分はなぜこんなくだらない人生を生きているのかということに疑問を持つようになりました。疑問というよりも怒りといったほうがいいかもしれません。しかし、自分の中には答えがない以上自分なりの答えを見つける必要がありました。
そして、ネットで人生や成功に関する本を片っ端から読みました。多い時は1日に3冊ほど読んでいたと思います。本当に時間を忘れて狂ったように読んでいました。そして今までの自分の人生の何が間違っていたのかということもだんだんとわかってきました。
型にハマらない自分
本を読み始めて半年ほど経った頃に、自分なりの答えを見つけることができました。その答えは人間どうせ死ぬんだから、それまでは好きに生きていいということでした。今までは周りの常識になんとか合わせようと生きていました。常識通りに生きることが目的になっていました。私はそこから外れてダメになってしまったのです。
常識的に生きようとして、無理だからダメになる。それは自分の人生を生きているということにはならない。そのことに気がついたのです。
それからはなんでも出来るような気がしました。自分の人生ですから。今ではいろいろな仕事をしています。スノーボードのインストラクターや屋台の販売、プログラムの仕事も期間限定でしています。あの時就職するよりかは自分で楽しいと思う人生を歩めていると心の底から思うことが出来るようになりました。
自己啓発の本によって私は引きこもりから抜け出す事ができましたが、今振り返ると自分を見つめ直す為には、必要な時間だったのかもしれません。